フルスタックエンジニアは、フロントエンドやバックエンド、インフラ、AI、IoT、など多彩なスキルを持ち合わせているエンジニアです。
しかし、エンジニア業界では「フルスタックエンジニアと呼ぶのはもう古い!」とも言われています。
フルスタックエンジニアが古いと言われる理由やこれからエンジニアに求められるスキルとは何かを現役のエンジニア4名(Hさん・Mさん・Gさん・Nさん)に聞いてきました。
フルスタックエンジニアに求められることを知りたい方やどのようなスキルが必要なのかを知りたい方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
〈聞き手=西山あきひろ(フリーWebライター)〉
目次
フルスタックエンジニアはどんな職業なのか?
本日はよろしくお願いします!
まず、フルスタックエンジニアとはどんな職業なのかを教えてください。
まず、フルスタックエンジニアとはどんな職業なのかを教えてください。
フルスタックエンジニアは幅広い作業ができるエンジニア
あくまで一例ではありますが、フロントエンドやバックエンド開発の両方ができるエンジニアをフルスタックエンジニアと呼ぶことがITシステム開発だと多いですね。
画面周りのコーディングや動きを実装できたり、サーバーやコンピュータの裏側のシステム構築を一人でできるとフルスタックエンジニアといえますね。
なんでも一人でできる「何でも屋さん」みたいなイメージですか?
何でも屋さんというよりは、フルスタックエンジニアは、幅広い業務ができるエンジニアですね。
それゆえに器用貧乏なんて言われたりもするんですが…。
とはいえ、そうした複数の技術を習得しているのはすごいですね!
「フルスタックエンジニア」はただの基準でしかない!?
率直なところ、「フルスタックエンジニア」ってただの基準でしかないかとも思います。
え!?どういうことですか!?
企業の採用側が「どういうスキルを持った人材が欲しいか」を定義するときに使う言葉として使われることが多い印象です。
では、そもそもフルスタックエンジニアという言葉自体、エンジニアの皆さんにはあまり馴染みがないのでしょうか?
インターネット黎明期からエンジニアをしていますが、当初はフルスタックエンジニアなんて言葉は存在しなかったです。
正直、今もあまり馴染みはありませんね…。
小さな会社だと一人で全部やらないといけなかったりしますもんね。
フルスタックエンジニアに対する考え方のギャップを感じますね…!
これからのエンジニアはフルスタックじゃないといけない理由とは
では、そもそもフロントエンドやバックエンド、全部できないといけないということでしょうか?
そうですね。プロジェクトによってはフロントエンドもバックエンドも関係ないものも多いですから。そうした人材は強く求められていますね。
「フロントエンド」や「バックエンド」は大企業の考え方
とはいえ、主にフロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアなどに区分された職業のように感じますね…。
フロントエンドやバックエンドというのも、もともと大企業から始まった発想なんですよ。
どういうことですか!?
大企業の場合、人材も多く開発マネジメントがなされているからエンジニアの仕事をフロントエンド、バックエンド、などと分業することができるんです。そうしてこれらの言葉は浸透していきました。
とはいえ、開発マネジメントできる人材はかなり貴重なんです。
ベンチャー企業や、大規模開発以外のプロジェクトでは、マネジメントできる人材がいないまま分業せずにプロジェクトを進めることも多いです。
だから、フロントエンドとバックエンドと分業してプロジェクトを進めるのは、現実的に難しいことが多いです。
人材不足の問題はエンジニアだけでなく、開発マネジメントの人材も深刻というわけですか…。
コロナ禍でフルスタックエンジニアが当たり前になる!?
今はコロナ禍なのでリモートワークも多いですからね。
リモートワークとフルスタックエンジニアとはどういう関係があるんでしょうか…?
リモートワークだと開発を一人でやらないといけないプロジェクトも増えてきます。
会社の中だと「フロントエンドのこと分かりません」、「バックエンドは担当じゃいです」というのが通用したかもしれません。
ですが在宅でプロジェクトを進めるとなると、現実そうも言ってられないですよ。
全部自分でやらないといけなくなるんですね…!
プロジェクトを全部自分でやるのが当たり前になってくると、フロントエンドやバックエンドの区分も成立しなくなってきます。
コロナ禍が落ち着いたとしても、今後もリモートワークの働き方は残るでしょう。
そうなると、エンジニアはフルスタックじゃないとプロジェクトを受けられなくなるんです。
これからの時代は全員がフルスタックエンジニアにならないといけないんですね…!
最新技術の知識がないエンジニアは通用しない
とはいえ、知識が広く浅くでも通用しなくなってきていますね。
より専門的な知識が必要になってきています。
より専門的な知識が必要になってきています。
具体的にはどのような知識でしょうか?
最近はクラウドやAI、IoTなどの知識が専門的、かつ重要になってきています。
新しい技術を少し知っている程度では対応できないですし、全く知らないと仕事ももらえないでしょう。
新しい知識を常にアップデートしておかないといけないんですね…!
その通りです。
その時代の最新技術は勉強するなどしてキャッチアップしておく必要があります。
その時代の最新技術は勉強するなどしてキャッチアップしておく必要があります。
クラウドやAI、IoTはエンジニアとしておさえておかないといけない技術です。
そのうえでこれまでの技術も網羅できているエンジニアがこれからのフルスタックエンジニアなんじゃないでしょうか。
現在のフルスタックエンジニアに必要なスキルや役割とは
これからのエンジニアに必要な技術というお話しがありましたが、もう少し具体的に求められる技術を教えてください!
少なくとも、クラウド技術はできるのが当たり前になっておかなければいけないでしょうね。
エンジニアは、「フロントエンド」「バックエンド」「クラウド技術」を習得しないといけないんですね…!
Infrastructure as Codeを使ったクラウド連携技術とは
あとはInfrastructure as Code(インフラストラクチャ・アズ・コード)を使ってクラウドと連携してインフラ周りをいかに効率的かつ良く仕上げられるかができるといいですね!
い、インフラすと…!?
インフラストラクチャ・アズ・コード。インフラ構築や環境構築、構成管理などを効率化する技術です。
最近クラウド技術周りやフロントエンド技術周辺のエンジニアの現場で会話にあがりますよ。
エンジニアの中でトレンドになってるんですね…!
今やクラウド技術はできるのが当たり前になってきていますからね。
では今後はまずクラウド技術を身に付けると良いということでしょうか?
いえ、いろんなことができる人材が必要です。
それこそクラウドも含めたフルスタックなエンジニアや上級のアーキテクトが分かる人材はこれからもっと求められるでしょうね。
それこそクラウドも含めたフルスタックなエンジニアや上級のアーキテクトが分かる人材はこれからもっと求められるでしょうね。
そのうえでインフラストラクチャ・アズ・コードでインフラや環境構築ができると、なお良しということです。
なるほど…!その技術を分かっておくと有利なんですね…!
サーバーレスでフルマネージドサービスができる人は将来が明るい!
サーバーレスが構築できるエンジニアも、フルスタックエンジニアには求められると思いますよ。
サーバーレスでどのようなことができると良いのでしょう?
AWSなどのサーバーを使わずにフルマネージドサービスができるようになると、人材価値が高まりますね。
フルマネージドサービスだとサーバー管理の工数を減らせますし、余ったリソースで生産性も高められるので求める技術だと考えています。
DXにもつながってきますね!
そうですね!
DXでもそうですがフロントエンドやクラウド、インフラストラクチャコードのスキルを抑えているエンジニアは将来が明るいですね。
DXでもそうですがフロントエンドやクラウド、インフラストラクチャコードのスキルを抑えているエンジニアは将来が明るいですね。
新しいスキルを組み合わせて提案できるエンジニアが求められる時代
DXという話で言うと、提案できるエンジニアは需要があるでしょうね。
コードを書くだけではダメということですか。
ノーコードやローコードを使った開発も、一つの開発の種類として提案できると良いですね。
スピード感大事ですからね!ノーコードやローコードを使ってスピード感のある開発が今後もますます求められるでしょう。
AI、IoT、クラウド、ノーコードといろんな技術が出てきているなかで、フロントエンドとバックエンドができるフルスタックエンジニアの定義はもう古いのかもしれませんね。
その時代の技術やトレンドを抑えて、課題の解決策を提案していくのがこれからのフルスタックエンジニアに必要なんですね!
みなさん、ありがとうございました!
みなさん、ありがとうございました!
【後編予告】エンジニアはDXにどう対応すべきか、プログラミングスクールは通った方がいいのかを聞いてみた!
次回はDX推進が進められる国内でエンジニアはどう対応すれば良いのかや、エンジニアになるためにプログラミングスクールに通うべきかを聞いてみました!
現役エンジニアの本音を聞ける内容ですので、ぜひご覧ください。
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