POSシステムとは?
「POS」とは、「Point Of Sales」の頭文字を取ったものであり、日本語に直訳していくと「販売時点」となります。
つまりPOSレジとは、販売データの記録や集積機能などの「販売時点情報管理」能力が備わった高性能レジシステムのことです。
顧客が商品を購入し金銭のやりとりが行われると、価格や品名などのデータをその場で自動的に入力し、リアルタイムで販売情報の管理ができるため、販売、飲食業などにおいて、いち早くとり入れやすいDXとなっています。
昨今のDX化の推奨により、POSレジはここ数年でさらに市場を伸ばしています。矢野経済研究所推計が調べた「国内POSターミナル市場規模推移と予測」によると、2017年度のPOSレジシステム市場は760億の市場規模にまで成長しており、前年比で150%以上の急激な成長率となっています。
また導入コストの安い端末を利用することが可能になるなど、これまでよりもローコストで運用ができるPOSシステムが多数増えたことがその背景にはあると言えるでしょう。
POSシステムの仕組み
POSシステムを利用したレジは基本的にネットワーク回線を介して利用することが前提です。
オフラインの状態で計算、決済することも可能ですが、POSシステムの最大の利点は決済された情報のデータ化にあります。
集積された情報をもとに売り上げ管理や在庫管理、店舗状況の動向などがデータ化されたり、業務の効率化が測れるため、様々な角度からのマーケティングに活用することができます。せっかく導入するのであれば、ネットワーク環境は必須と言えるでしょう。
POSシステム導入のメリット
では、実際にPOSシステムを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここからはPOSシステム導入のメリットをご紹介します。
情報を一括管理することができ、いつでもどこでも確認が可能
POSシステムを導入することによって、売り上げ・部門・商品・在庫・顧客などのデータを同一のフォーマット上で入力や確認ができ、業務の効率化に繋がります。
また、先のことを見据えた商業戦略も立てやすくなります。商品カテゴリや、ランチ・ディナーなど時間帯別に分けたデータの抽出も可能なため、より具体的な情報整理や、起こすべき行動の選択がしやすくなるでしょう。
店頭で入力した情報はサーバーで管理されていますので、バックヤード側からでも在庫の確認や売れ筋を確認でき、在庫ロスや機会損失を減らすことも可能になります。
業務を効率化させることで人件費を削減することが出来る
POSシステムを導入するまでは、商品情報や顧客管理、在庫情報など、全ての管理のために然るべきスタッフの雇用が必要でした。
しかし、それらを全て賄えるPOSシステムを導入することによって、キャリアを重視しなくてもアルバイトで対応することが可能になります。
また、汎用モバイル端末(iPadや、iPhoneなど)を活用しているケースも多いため、操作がより身近であり、比較的簡単に使えるようになるため、教育にかける工数の削減もできます。これにより人件費の削減が可能になり、業務の効率アップに繋がるというわけです。
人的ミスの大幅な削減が期待できる
POSシステムの導入は人的ミスを大幅に削減することが可能になります。
以前は、全ての作業を手計算で、金銭授受をしなければいけませんでした。しかし、操作が簡単かつシンプルなPOSシステムを導入することにより、該当商品のバーコードを読み取れば、誰でも同じレジの処理をすることができます。
これにより、レジの打ち間違いや、釣り銭間違い、確認漏れなどのミスが減ったり、大型注文などの複雑な会計なども簡単に処理することができるようになります。
電子マネーやモバイル端末の使用により、接触が減り、衛生的
新型コロナウイルス感染症の猛威に世界中が脅かされている昨今、「接触を避ける」ことがどんな場面でも大きなテーマとなっています。
現金の受け渡しのないキャッシュレス決済は、まさにそれを叶えていると言え、近年広まっているPOSシステムは、そういった電子マネー決済への連携が豊富になっているものも多くあります。
また、個々の端末を使って注文のできるモバイルオーダーを取り入れメニューブックに触れる機会を減らしたり、テーブル毎のセルフオーダーの導入により、店員との接触を避け、感染リスクを減らせるようになります。
POSシステム導入のデメリット
一方で、リスクヘッジとして導入にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?
一定の初期投資備品、費用が必要になる
POSシステム導入にあたって一番のデメリットは、対応端末や、ターミナル型のPOSレジ、タブレットなど、初期投資備品にコストがかかることが挙げられます。
通常のアナログレジは、1台3〜5万で購入できるのに対し、ターミナル型のPOSレジだと1台50〜60万と、10倍以上のコストがかかります。
ただし、ここ数年は、比較的安いタブレットタイプのレジを導入するケースも増えており、こちらは15万程度で導入することができるタイプも増えてきました。
また小さい店舗であれば、最低1台の機器で済む事もありますが、飲食店で注文を受けるためにハンディを使用するのであれば、人数分の準備が必要になります。
また、POSレジサービスによっては既に店舗で使われている端末を使用することができず、新たに購入しなければならない場合もあります。初期にかかる費用が大きいことがPOSシステム導入の大きなデメリットと考えられます。
自然災害などで電力に問題が起きた場合
POSシステムとは、全面的にコンピューターシステムで管理・制御し作動しているシステムです。
停電等で電力供給が止まった状態になってしまうとPOSシステムの使用・活用は不可能となってしまいます。従来のような計算機を利用したアナログの作業であれば突然の事態でも会計処理をすることは可能です。
しかし、昨今のデジタル世代においてこういった障害の事態は生活に関わる多くのものに言えることなので、一応片隅に置いておく程度のデメリットではあるでしょう。
POSレジシステム9社の内容比較
さて、メリット・デメリットの双方を確認したところで、次は実際にどのようなシステムがあるのか見ていきましょう。
ひとくちにPOSシステムといってもそれぞれ費用や、機能の充実度、得意なサービスなどが変わってきます。各システムの特徴やサポート内容料金体制などを知り、各々の企業にあったシステムを選んでいきましょう。
Airレジ
Airレジとは0円でかんたんに使用できるPOSレジサービスアプリです。iPadまたはiPhone、インターネット環境が整っていれば、アプリを入れて登録をするだけでサービスをすぐに利用できます。
【特徴】
①売り上げデータを自動的に集計、グラフ化することができ、商業戦略を立てやすい
②Airペイの同時活用をすることで、各種電子マネーの決済等にも簡単に対応ができる
③表示画面が非常に見やすいためレジでの操作ミスが起こりにくい
④レジシステムのみは無料での使用ができる
⑤場所を選ばずiPhoneでいつでもどこでも売り上げや在庫の確認ができる
電子マネーではQR決済にも対応しているので、より多くのお客様のニーズに応えることができます。現在、小売・飲食・サービス業を中心にPOSレジアプリの中でも利用店舗数NO.1の実績を誇っているのも大きなポイントでしょう。
サポート体制としては、店頭からチャット(平日:10時〜19時)があります。ただし、土日は対応していません。メールでの相談も可能です。
【料金】
・基本のレジのみは「0円」
・その他対応機器がない場合、iPad 34,800円、プリンタ内蔵ドロア54,800円、レシートプリンタ36,900円、キャッシュドロア7,980円などの費用が必要になります。
ご質問は下記よりお問い合わせください。
https://airregi.jp
ユビレジ
ユビレジとは、iPadを利用するタブレット型POSシステムです。iPad発売年にリリースされたため、タブレット型のPOSレジの中では、いち早くサービスを開始しています。
【特徴】
①売り上げの自動集計やピークタイムの分析により、残業削減や余計な人件費の出費を避けられる
②商品分析機能の活用で売れ筋や死に筋商品がわかり、経営戦略を立てやすい
③楽天Payや食べログPayなどの様々な決済サービスとのシステム連携が可能
④チェーン店や小売店ごとに料金プランが分かれている
⑤専属コンサルタントがついているため、サポートが手厚い
業種や国内外問わず様々な店舗でご利用いただくことができます。上記にもあるとおり、サポート体制は専属のコンサルタントがついており、導入までの案内もわかりやすくサポートしてくれます。また、導入時に電話や訪問での操作講習をしてもらうことも可能です。既存のヘルプページが充実している他、随時電話やメールで質問することも可能なようです。
【料金】
・お試しプラン:0円
・プレミアムプラン:6,900円
・飲食店向けプラン:8,400円
・小売店向けプラン:11,400円
・カスタマイズプラン:要お見積もり
※長期契約による割引あり。料金プランの詳細は資料で確認可。
ご質問は下記よりお問い合わせください。
https://ubiregi.com
スマレジ
スマレジは0円から始められるiPad・iPhone・iPod touchアプリを使ったクラウドPOSシステムです。レジ機能だけでなく、売り上げ・経営状態の把握等、店舗経営のための必要機能が揃っているため、店舗運営を強力にサポートするPOSシステムです。
【特徴】
①完全クラウド管理のため、常に最新型にアップデート&リアルタイムでの在庫把握が可能
②顧客情報管理が細やかであり、お客様に合ったより良いサービスの提供に繋げられる
③アフターサポートが厚い
④1店舗のみ・アプリ使用だけの利用であれば費用は0円
⑤全国にショールームがあり、周辺機器と合わせた無料の実施体験ができる
小売やアパレル、イベント業など様々な企業で導入されており、ここ数年で急激にシェアを伸ばし、2021年3月時点で、9,5,000店舗以上で利用されています。サポート体制としては、充実したヘルプサイトのほか、定期的に実施される検定に合格したスタッフのみが対応する、有料プラン向けの365日対応のコールセンター(9:00〜22:00)や、無料のメールサポートなどの体制が整っています。サーバーの月間稼働率99.95%を保証しており、サーバー障害発生時の連絡体制まで安全にサポートするルールを設けられています。機器トラブルの発生時には代替機の発送及び、保守技術者の現地での設置・設定を行う保守サービスも用意されています。
【料金】
・スタンダード0円/月
・プレミアム 1店舗につき4,000円/月
・プレミアムプラス 1店舗につき7,000円/月
・フードビジネス 1店舗につき10,000円/月
・リテールビジネス 1店舗につき12,000円/月
ご質問は下記よりお問い合わせください。
https://smaregi.jp
Orange POS(オレンジポス)
オレンジポスとは様々な基幹システムと連携可能で、多様な決済形態に対応できる非常に柔軟なカスタマイズ性能のあるPOSシステムです。
【特徴】
①多店舗展開をする、または視野に入れている飲食店や、小売店に特化しているシステム
②在庫管理や棚卸しなど、商品管理に特化している
③使いやすくデザイン性の高い、オーダーメイドのセルフレジ
④カスタマイズ性が高いため、様々な決済形態に対応でき、既に導入しているシステムとの連携がしやすい
⑤お客様台帳のデジタル化で顧客満足度向上
全店舗の情報をデータベースで一元管理してくれるため、多店舗展開をしている店舗などの「本部と店舗間のリアルタイムのデータ共有」ができます。サポート体制としては、フォームや電話での問い合わせが可能で、導入時には企業の要望に合わせて最適なプランを紹介してくれます。また、運用中に発生したトラブルや不都合、質問については、社内および外部のシステム担当者が運用のサポートを行い、被害を最小に抑えるためのサポートシステムを充実させています。
【料金】
・月額料金 9,800円/月
・その他、機能追加については要見積もり
ご質問は下記よりお問い合わせください。
https://orange-pos.jp
Okageレジ
Okageレジとは飲食店専用システムとして作成されたiPadレジです。モバイルオーダーなど、最新のセルフオーダー端末を連携できるPOSシステムです。
【特徴】
①スマホなどの端末を利用したモバイルオーダーやセルフオーダーシステムを組み合わせて使用できる
②飲食店向けの機能が充実している
③店外や、店内のオーダーをタブレットで一元管理でき、複数端末で共有ができる
④クレジット、キャリア決済など多彩な決済に対応できる
⑤QRコードによる注文や、SNSなどとの連動が簡単にできる
モバイルオーダーを連携できるのは他のシステムではなかなかない魅力であり、飲食に特化したPOSシステムならではの機能です。なお、モバイルオーダーとは、お客様自身の使用しているスマホなどの端末からメニューを確認し、注文ができる仕組みであり、決済機能を組み込むことで事前決済をすることもできます。昨今の新型感染症対策としてもモバイルオーダーやセルフオーダーは接触をできる限り避けられるため、注目されています。
サポート体制としては月額5,000円での電話サポートが用意されています。
【料金】
・Okageシリーズ月額費用:5,000円/月
電話サポート:5,000円/月
1店舗あたり最低月額5,000円〜
ご質問は下記よりお問い合わせください。
https://okagekk.com/
ワンレジ
ワンレジとは飲食店経営社が作った、飲食店専用のPOSレジとなります。飲食店経営社が作ったシステムであるという最大の利点を活かし、ユーザー目線がとても考えられているサービスです。
【特徴】
①飲食店に特化しているPOSシステム
②操作がとにかく簡単。アルバイトでも使いやすい
③レジタブレットによる徹底した勤怠管理などで従業員の不正が起こらない
④売り上げ分析や給与計算などの集計処理が簡単にできる
⑤クーポンの自動反映や、飲み放題タイマーなどで、団体のお客様の対応にも長けている
サポート体制としては、導入の際に電話や問い合わせフォームで相談することができます。各飲食店の希望に合わせて様々なメニューや給与設定が可能です。導入後には本部及び、店長・スタッフそれぞれに使い方の講習会が実施され、全員が確実に使用ができる状態にできます。また、操作方法の他、経営改善のための運用の仕方などもレクチャーしてもらえます。24時間365日対応のコールセンターがあるので突然のトラブルでも安心できます。
【料金】
・非公開のため、要問い合わせ
ご質問は下記よりお問い合わせください。
https://one-regi.com/
blaynレジ(ブレインレジ)
ブレインレジとは飲食店専用のPOSレジであり、会計機能・タイマー機能・クーポン登録など、飲食店に必要になるあらゆる機能が揃っています。また、稼働店舗数は5000店舗を誇っています。
【特徴】
①テーブルごとのお客様の管理が明確で簡単である
②初期費用をかなり抑えることができる
③複数店舗のデータをまとめた管理ができる
④クレジット、電子マネー、QRなど、様々なキャッシュレス決済に対応
⑤精算ボタンを押すだけで、締め作業がとにかく早くできる
また、混雑状況をリアルタイムで発信できるためお客様を過度にお待たせすることなく、ご案内ができ、店内の過密状態も避けられます。サポート体制としては月額無料のプランでも24時間365日電話サポートをしてくれるため、POSレジ導入の初心者でも安心してご利用いただけます。また、どのプランでも比較的料金が抑えられるため、新規開業の店舗にはとても適しているサービスとなっています。
【料金】
・無料プラン(POSシステムのみ):0円/月
・電話サポート及び複数店舗の管理サポートのついたスタンダードプラン:2,800円/月
・プリンタ、ハンディなどがついているプレミアムプラン:9,800円/月
ご質問は下記よりお問い合わせください。
https://blayn.com/
Square POS
Square POSとは、初期費用や月額費用が0円で始められる、低コストでデザイン性のあるPOSシステムです。かかるのは決済手数料(3.25〜3.95%)のみで、有料POSレジ並の機能を多数兼ね備えています。
【特徴】
①初期費用・月額使用料共に0円で使用ができる
②画面レイアウトや周辺機器がシンプルでデザイン性が高い
③端末はiOSとAndroidのどちらも使用ができる
④店舗や従業員が増えても1つのアカウントで管理ができる
⑤売れ筋やピークタイム他、従業員別の売り上げなどのデータがリアルタイムで確認できる
周辺機器は専用のものが必要になりますが、どれもデザイン性の高いスタイリッシュなものになっており、無駄なボタンや文字の省かれたデザインはシンプルでまとまりがあるため、インテリアにこだわりのある店舗にピッタリのPOSレジシステムです。サポートとしては年末年始・臨時休業日以外はメールと電話で対応してくれます。(10:00〜19:00)公式のヘルプページにも充実した情報があります。
【料金】
・初期費用・月額使用料:0円
・専用決済端末
Square Reader:7,980円
Square Stand:32,980円
Square Terminal(レシートプリンタ内蔵):46,980円
ご質問は下記よりお問い合わせください。
https://squareup.com/jp/ja
POS+(ポスタス)
ポスタスとは業態に合わせて様々な対応のできるクラウド型POSシステムです。業界に合わせてPOS+food、POS+beauty、POS+retail、POS+liteと4つのサービスを展開しています。ニーズに合わせた多くの機能連携が可能です。
【特徴】
①飲食・小売・サロンやエステ様々な業態に対応できる
②多言語・多消費税・多通貨に対応しているため、外国人の対応の他、店舗の海外進出の際に安心して利用できる
③会計機能・勤怠、在庫管理の他スタッフのシフト管理やスケジュール管理が可能
④サロンやエステ用のサービスでは予約システムにも対応
各業態にそれぞれ目を向けて個々のサービスを提供しているため、業態ごとにポイントを変えたとても使いやすい仕様になっている。サポート体制は365日対応のコールセンター(10:00〜18:00)の他、365日無制限での駆けつけサービス、トレーニング体制、コンシェルジュによる無料相談など、手厚いサポートが用意されています。
【料金】
・導入費用(初期費用・周辺機器費用)450,000円〜
・月額費用 12,000円〜
ご質問は下記よりお問い合わせください。
https://www.postas.co.jp
まとめ
導入のメリット・デメリット、各サービスの特徴など、これから導入を検討されている方の参考になればと思い、POSシステムの基本知識と、代表的なPOSレジシステム9選を紹介しました。
今回あげたものはほんの一部であり、後半は飲食業に特化したPOSレジシステムの紹介が多くなりましたが、小売・アパレル・美容関連など、様々な業界に合わせたPOSが日々開発、発信されています。
多種多様なサービスの比較・検討や初期費用・必要機器の確保など、導入への準備時間などは必要になりますが、今後の経営効率化や、未来に向けた対応や商業戦略のために、企業形態にあったPOSシステムの導入を検討してみてください。
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