IT企業が取り組むことのできるSDGs活動とDX推進〜最終回〜

「IT企業が取り組むことのできるSDGs活動とDX推進」は、IT企業がデジタル技術を活用して、どのように社会課題解決に貢献できるのか?をSDGsと紐付けながら考えるシリーズです。

シリーズ最終回となる本記事のテーマは”パートナーシップ”。”パートナーシップ”に関してどのような課題があるのか?IT企業はデジタル技術を活用してどのように解決に貢献できるか?について紹介していきたいと思います。

目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」とはどんな目標?

SDGsの目標17は、「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」というテーマに基づいて、19個のターゲットで構成されています。

ターゲットの概要は以下の通りです。

  • 開発途上国の発展のため、資金・人的リソースなどを動員する
  • 開発途上国の持続的な発展のため、環境にやさしい技術を開発・移転・普及させる
  • 普遍的なルールに基づく、非差別的な貿易体制を構築する
  • SDGsの達成に向けて、国・自治体・民間・市民などが国境を超えて協力する
  • 政策決定の基礎となる、各国のデータが取得できる状態にする

幅広い分野に渡るSDGsを同時並行的に成功へと導くためには、政府、民間セクター、市民社会などあらゆるプレイヤーが協力して対応していかなければなりません。

特に、開発途上国では貧困や飢餓などの深刻な状況から抜け出すため、インフラの整備や経済発展が急務となっています。しかし、そのための資金や技術が不足しており、先進諸国の支援なしでは成し得ません。

また、各国内の課題も数多くそれらの解決には、政策によるトップダウン的なアプローチだけでなく、それぞれの地域で企業や市民ができる範囲の対策に取り組んでいくことも必要なのです。

”パートナーシップ”に関する国内外の課題

世界的な課題

COVID-19によって、ODAや中・低所得国への送金の減少が懸念されていましたが、幸いにも大きなマイナスにはなりませんでした。しかし、民間企業による直接投資はCOVID-19以前と比べて3分の1まで減少しており、途上国の開発を遅らせる要因になっています。

  • COVID-19によって、世界の外国直接投資は最大40%減少
  • データ需要が急増しているものの、データ・統計整備のための資金半分に過ぎない

日本国内の課題

日本のODAは世界第5位であるにも関わらず、国連から期待されている金額には届いていないという現状があります。先進諸国のODAは、GNI(国民総所得)の約0.7%程度が求められていますが、日本は0.2%程度にとどまっているのです。経済停滞による政府の財政悪化が主な要因と考えられますが、日本経済が発展しないとODAを増やせず、途上国の開発に回る資金が少なくなってしまうことを意味しています。また、金融機関のシステムの特性上、透明性に欠ける点も課題として挙げられています。

  • GNI(国民総所得)に占めるODA(政府開発援助)の割合が0.2%と少ない
  • 金融秘密度指数が高く、マネーロンダリングや租税回避の温床になりやすい
  • SDGsに取り組んでいない企業50.5%と半数を超えている

IT企業は「パートナーシップで目標を達成しよう」の達成にどのように貢献できるのか?

では、IT企業はICTを活用して、どのように”パートナーシップ”の課題に貢献できるのでしょうか?

技術・知見提供による民間企業の価値向上

IT企業は、これまで通りクライアント企業とパートナーシップを結び、保有するICTをクライアント企業の価値向上のために提供していくことで、経済の発展に貢献することができます。経済が発展し、企業・国に資金が集まれば、国内外のあらゆる社会課題の解決ができるだけでなく、途上国へのODAを増やすことにもつながります。

今後の100年は私たち人類が経験したことのないほどテクノロジーの発展が予測されており、その変化の程度は、「農業の誕生〜インターネットの誕生までの変化を2回繰り返すほど」とも言われています。
外部環境の変化が激しい中で、それぞれの企業が競争力を高め経済を発展させていくためにはデジタル技術やデータを駆使した新しいビジネスモデルや、変化に柔軟に対応できるIT基盤、つまりDXが必要不可欠です。

日本では、社内にIT関連のノウハウが欠乏している企業も多く、そのような企業とのパートナーシップは、一企業の存続という観点からも、マクロ的な経済発展という観点からも、より一層求められています。

プラットフォーム利用による官民連携

また、これまで通りの民民連携ではなく、国や行政とのパートナーシップで、国内外の社会課題解決に直接的な貢献をしていくことも可能です。昨今、JICAや社団法人、大手企業などを中心に社会課題と民間企業をつなげるプラットフォームの立ち上げが盛んに行われています。それらを利用することで、自社のもつICTが活かせる環境がマッチングされ、IT企業にとっては新しいビジネスの場の創出、企業イメージ向上などが期待できるでしょう。

まとめ

この「IT企業が取り組むSDGs活動とDX推進」シリーズでは、以下5つの目標について、IT企業が貢献できることについて検討してきました。

■ それぞれの目標とIT企業による貢献の方向性

目標貢献の方向性
目標4:質の高い教育をみんなに・教育環境のデジタル化            
・個人の能力にあった教育の実現
・公務効率化
目標8:働きがいも経済成長も・働き方改革
・ハンディキャップの補助
・フェアトレードの証明
目標9:産業と技術革新の基盤を作ろう・インフラの事後保全から予防保全へ
・製造業の効率化・高付加価値化
・炭素排出量の測定
・デジタルイノベーション
目標12:つくる責任 つかう責任・調達・製造量の最適化
・消費者を巻き込むEC機能
・エネルギー効率が高く低炭素な製品の利用
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう・DX推進支援による経済発展
・官民連携

美しい星地球のもと、これからも人間が生活を続けていくためには、SDGsの達成が必要不可欠です。そしてSDGs達成には絶大な力をもつデジタルテクノロジーを適材適所に活用していくことが必須です。

IT企業は国や自治体、NGOなどとパートナーシップを結んで直接的にSDGsの達成に貢献することもできますし、民間企業のDX推進をサポートし、持続可能な方法で経済を発展させることで間接的に貢献することも可能です。自社の強みを改めて俯瞰した上で、シナジーの出せる目標分野、方法が何であるか考えていくことが重要です。

(参考資料)
UN:SDGs Report 2021
UN:About the Sustainable Development Goals
UN:Sustainable Development Report
帝国データバンク:SDGsに関する企業の意識調査(2021年)

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